つれづれ

オーストラリアの砂丘にて 〜フレーザー島〜 (2004)

手で砂をすくった。
ひんやりとした感触で私の指と指の間からさらさらと砂が滑り落ちる。
心地良いくすぐったさだった。
砂丘を歩いて汗でべとついていた手が、さっぱりとした。

砂丘

さっきまで飛行機の中から見えていた砂は、菓子パンに入っている あの甘くとろりとしたカスタードクリームの、匂いと感触までもを感じさせるものであった。
そして、確かに艶のあるクリーム色だった。

今、手の中で光り輝いている砂粒は
柔らかいブルー? オレンジ? ピンク? パープル? グレー?………… 私の知らない名前の色で透明な光を放っている。
そしてこの世の色を全て一つにまとめてしまったのが、ここの砂だと思った。
その晩私は、この砂のお風呂に入って身体を洗っている夢を見た。